宗教について軽く
日本では信教の自由が保障されてます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/日本国憲法第20条
http://www.houko.com/00/01/S21/000.HTM#020
なのにその信教の自由が堂々と侵害される場所があるのです。
それは家庭の中です。
親の庇護無しに生きられない子供が
「神様/教祖様の教えを信じないなんて悪い子ね! そんな子はご飯抜きよ!!」
なんてされたら従うしかありませんものね。
仮に脅迫行為が無かったとしても、子供の判断能力は立派なものではありません。
そんな内から延々と宗教トーク聞かされたら、その宗教にのみ最適化された精鋭に育つでしょう。
何でいきなりこんな話かというと、このページのはてなブックマークで
家族ぐるみの宗教は、子供の『信教の自由』を侵すのが大問題だよね。
http://b.hatena.ne.jp/pochi-p/20100318#bookmark-20026135
と書いたら、
id:nisshiey_s1 さんから
id:pochi-p氏、家庭における教育の否定?
http://b.hatena.ne.jp/nisshiey_s1/20100317#bookmark-20026135
と聞かれたからです。
それでブコメ文字数限界だったのではてダに書きます。
まずid:nisshiey_s1さんへの返答は
- 成人後でも宗教に関する話は間に合う。早期教育が必要な常識やモラルとは、優先順位が全然別
- 進学に必要な学力を家庭で教えるのに、宗教は別に関係ない
- そもそも勧誘と教育は別物
といったところです。あくまで「未成年に対する家庭内での宗教勧誘を否定」してるだけです。
もちろん道徳教育の材料としては宗教が有用&便利なのは事実ですけどね。*1儒教なんか道徳教育のネタとして定番ですし。
しかし宗教にそういう利点があったとしても、成人するまでの間*2は、宗教に関する話は禁止すべきだと思っています。
宗教が無かったら何も教えれませんなんて、そんな事は無いはずですしね?
何故私が頑なに成人前の宗教勧誘を否定するかというと、一度染まった信仰はなかなか抜けれないからです。
例えば、次の例を考えてみてください
- 日本人は夜の墓場のど真ん中で寝ろと言われたら、怖く思う。
- 墓石を殴れと言われたら、『故人への礼儀、遺族への配慮』以外の理由で後ろめたさを感じる。「祟られそう」と思う。*3
1〜3割程度の人は当てはまるんじゃないでしょうか?
これが一度染み付いた観念から人が抜け出せない事例です。簡単に覆ると思いますか?
また信仰により、幸せを感じている・得ている人にとっては『信仰=実在の利益』な訳です。
それを傍から「その宗教は嘘っこだよ! 早く止めなよ!!」と言われても、今ある幸せ(=利益)を簡単には手放せないでしょう。
「(セキュリティ的にやばすぎるから)今現在使ってる古いPCを今すぐ叩き壊せ! 新しいの買え!」って言われても、なかなか納得出来ないのと同じ理屈です。
そもそも人間は、利害関係者の立場では碌な判断が出来ません。*4
「幸せになる為のシステム」な宗教から、「幸せになりたい」と思う人が離れるのは、並大抵じゃ出来ないものです。
「幸不幸のバランスは存在しない。因果応報もそうあって欲しい人の願望。努力も善行も報われるとは限らない。神に許される為の指針行動などありはしない。死後の世界も生まれ変わりも無い。魂なんて無い。死んだらそれまで。なのに人は簡単に死ぬ。運が悪いだけで理不尽な死がいくらでも溢れてる。救いなんて何処にも無い。さあ、そんな辛いばかりの現実に一人で立ち向かえ! 宗教という救いを捨ててこっちに来い!!」なんて言われて、今の幸せを捨てて喜んで宗教を抜ける人がいるでしょうか?
ちなみにpochi-pは人間が想像する神を否定し、神的存在を肯定する、無神論者+UD説支持者みたいな感じです。
ただしデザインされたのは『人ではなく物質&法則(=要は宇宙)』かなと。